新緑が眩しくなり、少しずつ汗ばむ日が増えてくるこの季節。酒屋さんの店頭には涼しげなブルーのボトルが並び始めます。それが「夏酒(なつざけ)」です。
「日本酒は冬の飲み物」と思っていませんか?実は、最新のトレンドにおいて、夏にこそ輝く日本酒がたくさん造られています。唎酒師の筆者が、夏酒の秘密と、BBQやテラス飲みに最高な銘柄をご紹介します。
プロが解説!そもそも「夏酒」って普通の日本酒と何が違うの?
実は「夏酒」という法律的な定義はありません。しかし、各酒蔵が夏の暑い時期に「美味しく飲んでもらうため」に、以下のような科学的な工夫を凝らしています。
高い酸度と低アルコール
暑さで疲れた体でもスルスル飲めるよう、白ワインのように「酸味」を際立たせ、度数を13〜14度程度に低く抑えた設計が多く見られます。
フレッシュな「生貯蔵酒」
冬に搾ったお酒を「生のまま」低温貯蔵し、瓶詰めの時だけ火入れ(加熱処理)を行います。これにより、搾りたての清涼感が残ります。
微炭酸(ピチピチ感)
瓶の中で発酵を続けさせるなどして、開けた時にピチッとした微炭酸を感じる造り。ビールの代わりに乾杯できる爽快感です。
🌊 夏の大本命トレンド!爽快「SAKEハイ(日本酒ハイボール)」
「日本酒のアルコール度数(15度前後)は夏には少し重い…」という方に朗報です。今、日本酒を氷と強炭酸水で割る「SAKEハイ(サケハイ)」が大ブームになっています!
💡 失敗しないSAKEハイの作り方
- 黄金比は「日本酒 1 : 炭酸水 1」。アルコール度数が7〜8度になり、チューハイ感覚でゴクゴク飲めます。
- おすすめのお酒:氷と炭酸で割っても味が崩れない、味が濃いめの「原酒(げんしゅ)」や、酸味が強いフルーティーな日本酒がベストマッチ!
- アレンジ:レモンやスダチをキュッと絞ると、さらに爽快感がアップします。
唎酒師が厳選!初夏に飲みたい「夏酒」3選
【大人のレモンスカッシュ】 仙禽(せんきん) かぶとむし
毎年発売と同時に即完売する、夏酒の絶対的エース。リンゴ酸を際立たせたクリアで透明感のある酸味は、まさに「大人のレモンスカッシュ」。キンキンに冷やして、よく冷えたトマトのマリネやカルパッチョと合わせると最高です。
【BBQ&SAKEハイの主役】 八海山 特別純米原酒 生詰
新潟の銘酒「八海山」が夏限定でリリースする生詰酒。原酒(水を足していない)なので、ガツンとした旨味とキレがあります。そのまま氷を浮かべてロックにするのも良し、炭酸水で割って「SAKEハイ」にしても味がぼやけない最強の万能選手です。
唎酒師が答える!「夏酒」に関するよくある質問
Q. 夏酒は「いつからいつまで」売っているの?
A. 一般的にゴールデンウィーク前後(5月上旬)から酒屋さんに並び始め、8月のお盆を過ぎる頃には徐々に「秋あがり(ひやおろし)」にバトンタッチします。人気の銘柄は6月中に完売してしまうことも多いので、見つけたら即買いが鉄則です!
Q. 夏酒は「常温」で保存しても大丈夫?
A. 絶対に「冷蔵庫(できれば野菜室より冷たい場所)」で保管してください!夏酒の多くは、火入れ(加熱処理)を1回しかしていない「生貯蔵酒」や、全くしていない「生酒」です。常温で置くと味わいが劣化したり、発酵が進んで味が変わってしまいます。
Q. 氷を入れて「ロック」で飲んでも薄まらない?
A. 銘柄によります。ラベルに「原酒(げんしゅ)」と書かれているものは、アルコール度数が高く味わいが濃厚なため、氷を入れてロックにするとちょうど良くスッキリ飲めます。逆に「度数13度」などの低アルコールの夏酒は、ボトルごとキンキンに冷やしてストレートで飲むのがおすすめです。
夏だけの「涼」を味わおう
この時期しか飲めない「夏酒」や「SAKEハイ」は、日本特有の四季を舌で感じられる最高のエンターテイメントです。
冷蔵庫でボトルが汗をかくくらいにキンキンに冷やして、初夏の風を感じながら、最高の一杯を楽しんでくださいね!


